診察に手術に入院に 2016秋

こんにちは。
先月から手術・入院患者が続いており、ややお疲れ気味の院長です。
美味しいビールとパスタで疲れを癒したいと思います。

最近は当院の患者さんたちが口コミ活動をしてくれているのか、新規の飼い主様も増えました。やらせ・強要なし!(^◇^;)
ありがたいことです。

一応、アピールも(笑)兼ねて先月からで行っているものを挙げますと、
大きな手術としては、

・胃捻転整復・固定
・両側の会陰ヘルニアの、精管&結腸固定・内閉鎖筋転移術
・腸管内異物摘出
・胃内腸管内異物摘出・腸重積に対する腸管切除&縫合
・全臼歯抜歯
・うさぎの子宮疾患(卵巣子宮摘出手術)

もちろん、みんな順調に経過していますよ!

そして気になるのが「異物誤飲」です。
ここ1ヶ月の誤飲リストを挙げると、

・チョコレート
・玉ねぎ
・乾燥剤(シリカゲル)
・湿布(インドメタシン)
・髪ゴム
・首輪
・景品用の玩具

この中で入院治療もしくは手術に至った危ない異物はどれかわかりますか?

答えは、

・玉ねぎ
・湿布
・髪ゴム
・首輪

です。

ということで、次回、気をつけたい異物誤飲リストに関して書いてみたいと思います。

COMING SOON… Maybe


Fixinロッキングプレートシステムのセミナー

6月23日木曜日に大阪での勉強会に参加してきました。骨折の治療に用いる最新のプレートシステムの勉強会です。

従来のプレートに対して、ロッキングプレートは骨自体に圧迫を加えないため、骨折を治そうとする体の反応自体を邪魔しづらくできています。また、固定力自体も従来のプレートに比べて高く、手術後にプレートがズレづらい特徴を持っています。
そしてこのFixinのロッキングプレートは、イタリアのイントラウマ社が動物専用に開発したプレートシステムであるため、他社の元々人用に開発されたロッキングプレートに比べて、薄く小さく動物に適したサイズ・形状に開発されています。

午前9時からのスタートに間に合うように、野並駅に7時前に到着。名古屋駅から新大阪に向けて新幹線に乗りました。
なんと、開業してから初の新幹線、初の県外です。新大阪までのおよそ50分間、少し優雅な気分を味わえました。

新大阪に到着♪
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実習は、他に参加の獣医さんと2人一組で、交代交代で骨の模型の骨折を治す実習形式です。
が、なんと、僕の相方予定の先生だけが急遽欠席ということで、実習時間を独り占めすることができました。
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最新のFixinロッキングプレートを使って治した骨折模型がこちら!
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この通りに実際に手術できれば、骨折は治るでしょうね。

とはいえ、最新の道具を使って治療することが、最良の治療とは限りません。従来のプレートを使ってしっかり治せる骨折の方が多いでしょうし、その方が安価です。

また、面白いことに骨折はあまり強力に固定しすぎると骨がダメになってしまうのです。簡単に言うと、プレートが強力に体重を支えてしまってはプレートに支えられた部分の骨の仕事がなくなって骨がもろくなってしますのです。

骨折治療の基本原則を理解しつつ、最新の道具や方法があればそれに越したことはないでしょうから、今後導入していきたいと思っています。

新大阪で他に何かしたか?
いえいえ、その日のうちに名古屋にとんぼ返りの強行軍です。
駅で子供達にお土産を買って帰りました。長男にビリケンさんの箸を買っていったら予想以上に喜んで使ってくれているので、今回の一番の収穫は「ビリケンさん箸」だったかもしれません(笑)


手術ラッシュ

こんにちは。
2月ですね。2月といえば「二八(にっぱち)」の2月です。
多くの業種で一年のうちでも景気が悪い月として、2月と8月が挙げられます。
当院でもご多分に漏れず、開院1年目・2年目と、さむ〜い2月を過ごしてきました。

が、今年は1月下旬から手術ラッシュで、2月に入ってからは大きな手術続きです。

「他でやらないような難しい手術もやってるぜ!」

とアピールしておかないと、病院を大きくできないので遠回しな宣伝みたいになりますがブログにアップしていきます(笑)

今月行った大きい手術としては、胃捻転の整復(胃腹壁固定術)と、ポリプロピレンメッシュを用いた両側会陰(えいん)ヘルニア整復です。

胃捻転というのは中高齢の大型犬で時々見られる文字通り胃がねじれてしまう状態で、通常そのまま急速に死に至る病気で、緊急の手術が必要になる病気です。大型犬で吐こうとしても吐けなくてぐったりしてきた場合、間違っても様子を見ようなんて思ってはいけません。(小型犬でも稀に発生します)
もし一旦捻転が解除されたとしても、90%以上の確率で再発しますので、再びねじれないように胃の固定手術を実施することが望まれます。
胃捻転は夜間に発生が多い病気なので、夜間緊急をしていた経験から多くの執刀経験がありますので困った時はご相談ください。
ただし、胃捻転は手術をしても死亡するリスクが高い病気です。基本、待てば待つほどそのリスクは高まりますので一刻も早い対処が必要と覚えておいてください。

会陰(えいん)ヘルニアは去勢手術をしていないオス犬に多く発生する病気です。去勢手術が勧められる理由の一つにこの病気の予防が挙げられます。肛門を支えている筋肉が痩せてスペース(穴)ができてしまい、肛門のワキの皮膚の下に腸や膀胱が飛び出してくる病気です。
あまり進行すると通常の手術の方法ではその穴を塞ぐことができないため、今回はインプラントとしてポリプロピレンメッシュを使って穴を塞ぎました。
ポリプロピレンメッシュ
〈これがメッシュ。ペラペラの硬いガーゼみたいな感じです。でもこれ1枚で ○万円します!〉

ポリプロピレンメッシュポリプロピレンメッシュ
〈縫合糸で縫って、円錐状に形成します〉

会陰ヘルニア手術
〈インプラントとして患部に埋め込みます〉

会陰ヘルニア整復後
〈手術後〉

無事に飛び出した腸と膀胱そして肛門が綺麗に収まってくれました。

今後も他院では実施しないような難易度の高い手術にもチャレンジしていきます。ただ無謀な挑戦はしません。己の領分をわきまえつつ、日々研鑽を重ね、強い信念を持ち、そして動物と飼い主さんのためになることを目指していきます。


麻薬施用者免許の更新

今日は愛知県庁に麻薬免許の更新に行きました。
愛知県庁
写真は愛知県庁です。お城の天守閣のようになっているのが特徴です。

動物病院で麻薬を使うの?と思われるかもしれませんが、従来から猫の麻酔薬として重用されてきたケタミンという薬が2007年に麻薬指定され、獣医師免許とは別に麻薬免許を持っていないとケタミンを扱うことができなくなってしまいました。
それを機に麻薬免許を取得する獣医さんが非常に増えたのです。

また、麻薬指定の薬といっても特別に副作用の強い薬というわけではなく(安全性の高い薬ではありませんが)、適切な使用により強い鎮痛・鎮静作用が得られます。その反面、人間が使った場合に精神的な依存性を生じる薬でもあります。動物では依存性に関しては使用をコントロールできるのであまり問題にはなりません。

ところで、動物は痛みを感じづらいと言われていたのは一昔前。
動物も人間と同じように痛みを感じ、手術などによる痛みが治療成績を悪くすることも明らかになりました。
実は従来使われてきた麻酔薬では手術に伴う痛みを十分に抑えることができません。強い痛みを抑制するためにはケタミン以外にも麻薬指定されている強い鎮痛作用を持った薬を用いる必要があるのです。

当院ではもちろん去勢手術や避妊手術でも麻薬などを用いた痛み管理を行っています。
しなかった場合とでは手術後の様子が全く違いますし、手術後の痛みによる病院に対する余計な恐怖心を動物に与えることもありません。

これからの時代、動物の痛み管理も必須のものと言えます。是非、手術を受ける際の参考にして下さい。